本日の講義

 アスクルシリーズ第3弾「マーケティング」太田先生の再登場です。
 
 今日のケーススタディ及びグループディスカッションですが、ワタシははっきり言って情けなくなりました
 つーかね。オレを含めてみんなアスクルのビジネスモデルに疑問を持たな過ぎです。前半部分の設問はケースをしっかり読んでいればできる問題であり、はっきり言えば必要なのは「読解力」だけです(それですら、オレ一人がしゃべってるという状況もある意味情けないんですが)。
 それ以上に情けなかったのは後半の設問。今現在うまくいっているビジネスモデルも、いずれは制度疲労を起こし他社に凌駕されます。そりゃそうでしょ。アスクルが上手くやっている以上、その市場を目指すライバル社は「如何にしてアスクルの弱点を見つけだし、そこを衝けるビジネスモデルを構築するか」に血眼になっているわけで、アスクル自身がそれに対処していくことを考えない限りいずれどこかで追い越されます。それはアスクル自身がよく自覚していることであり、自らの弱点(もしくは「事業リスク」)を十分承知して今後の展開を考えているわけです。
 だとすれば、今後のアスクルの行き方を考えるとするなら、そうした状況を十分に踏まえた上で、それに対処するにはどうするべきかと言うことを想像しなければならない。現状のビジネスモデルが良くできているから今後もうまくいくという脳天気な発想は「発想」と呼ぶに値せず、むしろ「思考停止」と呼ぶべきでしょう
 
 さらに言うなら、こうした発想=想像力のバックボーンとなるのが各種の理論や分析手法であり、そうした想像力を養うためにこの3ヶ月間やって来たと言うことですから、それができなければこの3ヶ月間は無駄だったと言われても反論できないと思うわけですよ。
 必要以上にペシミスティックになる必要はないにせよ、少なくともそのくらいの想像力は持つ必要があるのではないかと思うわけです。
 だいたいアスクルより上手くやる方法がない」と考えている時点で思考停止でしょ。コクヨが、自社が系列化している卸売りや小売りにある程度の在庫リスクを持たせ、代わりにキックバックアスクルより増した「アスクル・モデル」の通販事業をやったらどうなる?フェイスtoフェイスの商取引やロジスティックと言ったアスクルの弱点を衝いたシステムを構築でき、アスクルを駆逐できますよ(このことは月曜日にオレが言いました)。オレみたいな視野の狭い人間ですらこの程度の想像はできるわけですから、その筋の専門家が本気でアスクルつぶしを狙ってシステム構築すれば、アスクルの優位性をひっくり返すモデルの構築も可能なはずですよ。
 
 自分自身でも非常に情けないのは、こうした思考停止を覆すだけの論理的な回答を提示できないと言うことなわけです。ココに書き殴ったことにしても、講義終了後にモヤモヤ考えた内容を書き殴っただけで、この程度の結論ならもっと素早く(それこそ、グループディスカッション中に)引っ張り出せてナンボだろと。こうしたリクツをきちんと提示できないから、疑問を持たずにアスクルモデルの優位性を信じる意見に流されることになるわけです。
 もちろん、アスクルが売っている「価値物」を「商品」ではなく「サービス」であると規定した(こうした結論にグループディスカッションを引っ張った)のはワタシ自身ですから、この結論と乖離しない理論を構築しなければならないわけで、それはそんなに簡単なことではないとは思うのですが、そんなもん慰めにもなりませんよ
 
 だいたい、
「現状うまく行っているモノでもそれに安住せず、常に疑問を持て」
というのはワタシの座右の銘(かつて勤務していたスタジオの社長に言われたこと)であり、「ホンマにコレでエエんか?」と疑問を持ってそれを探求することが「大局的な視点・判断」に至るための(ワタシが知る限り唯一の)方法論なわけです。
 それを身につけたいがために、わざわざ新チームへの合流を待って貰ってまでこの講座に通っていたわけですから、それが現実にできていないと言う事実を突きつけられた今日の講義は、個人的にはものすごく不満の残る内容でした